コーヒー


 人生には美味しいコーヒーが必要だ。

 『静かに消えていく』から持ってきました。明言だなと。実にいい言葉だ。勝手に自画自賛(自文自賛が正しい気もする)してるだけですが。あんまり言うと、読者が逃げそうだ。
 というわけで、たまにはコーヒーについて語ろうかなと。だって、「今回もコーヒーは出てきますね」って読者から言われたら、そりゃコーヒーについて書かないといけないと思うわけです。作者としてはね。
 私の全作品を読まれた方は、お気づきかもしれませんが、全作品にコーヒーは出てきます。といっても、未確認ですが。もっとも確か、あの作品のあそこでコーヒーが出てたよね。そんな感じで覚えてるので、多分間違いはないと思います。さりげなかったり、中心にあったり、とにかくコーヒーは作中のどこかにあるはずです。まぁ、意識して出してるわけでもないんですが、なぜか出てきてる。無意識って怖い。まぁ、コーヒーの登場を覚えてる私も、私か……。

 そんなわけで、今後の作品でもきっと出てくるであろう、コーヒーなんですが、私自身コーヒーのはまったと自覚したのは二十歳くらいのときでして、その前まではただ好きなだけでした。
 私の記憶の中で最初に飲んだコーヒーは、祖父母の家のインスタントだったかな。当時、五歳か六歳くらい。小学生か幼稚園の年長かは覚えてません。お湯に溶かしただけのブラックは飲めなくて、砂糖と牛乳を入れてもらった気がします。ま、この頃はコーヒーの味なんて解かるわけもない、お子様。それで、祖父母の家には何故かインスタントコーヒーがいつもあるんだよね。お中元とかそういうやつだろうけど。しかも、うちの家庭の事情ってやつで、ほぼ毎日祖父母の家には行ってたから、結構インスタントは飲む機会があったわけです。別に頻繁に飲んでいたわけじゃないですが。最初だけ興味半分で飲んでて、そのうち飲まなくなったかな。どっちにしても、ブラックじゃ飲めなかったけど。

 そう言えば、母親が、コーヒーは体に悪い、と中学生くらいまで家じゃ飲ませてくれなかった。未だにはっきりした理由が良くわからないんだけど、多分着色料とか保存料とか何が入っているか、わからないから、健康に気をつけていたんだろうね。炭酸飲料も飲ませてくれないくらいだから。ちなみに、コーヒーが本当に体に悪いかどうか、私は知りません。個人的には良いと思うけど……豆の焙煎でまちまちな気が……。

 小学生高学年になると、飲み終わった空き缶を、かかと落として友達と潰しあってたんだけど、缶コーヒーってスチール缶でしょう。アルミ缶とかも潰してたんだけど、やっぱりスチール缶は、潰しがいがあったというか、小さいし、難易度がめちゃくちゃ高いんだよね。缶を縦に置いて、一撃。横に置いて潰すのは邪道でした。当時黒い結構頑丈な靴を履いたから、足は全然大丈夫。一撃で上手く潰せると気持ちよかったな。周りの友達は賞賛の目で見てくるんだよね。でも失敗すると結構悔しい。悔しいからニ撃、三撃と食らわせる。なかなか直撃させるのは難しいんだよね。空手とかやってたわけじゃないし。それにしても、スチール缶を嬉々と潰すって、一体どんな小学生だったんだか。

 中学に入ると、コーヒーに関する記憶がない。親がペーパードリップで淹れていた記憶はあるけど、お客が来たときくらいだったので、いつのことか……。この頃って、紅茶を飲んでいた気がします。ストレートで不思議と飲めたっけ。
 高校に入ると、テスト前にインスタントコーヒーをマグカップに通常の二倍くらいいれて、砂糖もクリープも二倍くらいいれて、やたらと濃くして飲んでました。今考えると、恐ろしいな……。この頃からたまにペーパードリップもし始めたかな。コーヒーを飲む回数も結構頻繁で、でも美味いという感じではなくて、眠気覚ましとか頭を覚醒させるためって感じだったな。
 
 さて、大学に入ると、何故か生活の一部という感じでほとんど毎日飲んでました。マーケットとかに売ってある市販のドリップ用の粉を買ってきて飲んでました。三度の飯よりコーヒーって感じ。それでも、ミルを買って、豆を買ってきて、ポットに凝って、っていうことまでは行かなかったし、行く気もなかった。
 それが、大学の講義で食生活についてグラフにすることになったんだ。で、米よりコーヒーの方が頻度が高いところにあって、生活から外せなかったんだよね。そんな俺のグラフを見た女の子が「○○君(私の本名)ってコーヒー好きなの?」って話してくるんだ。コーヒーが好きというと自覚は、前からあったんだけど、人から面と向かって言われたのは初めてだし、何ていうかあんまり趣味とか話すタイプじゃないし、新鮮だったな。
 で、その後続いた言葉が、「私、コーヒー飲むと気持ち悪くなる。紅茶の方が好き」……ちょっとしたカルチャーショックなわけです。そりゃ、紅茶の方が好きって言うのも解かりますよ。でも、気持ち悪くなるって、どういうこと? さらにそのお友達が「私もコーヒーは苦手」っていうんです。コーヒーってそんなに不味い飲み物かって思うわけです。その方々のグラフを見るとコーヒーなんてない。どこにも。しかも、この一件だけで、私はコーヒーが好きな人と印象付けてしまったようで、そんなに凝っていたわけでもないのに、凝っていると思われたようでして……何と言うか、それで凝らねばならない気がして、もっと深いところに行きたくなったんですね。

 ちなみ、このとき最初に話し掛けてきた女の子が、今の彼女だったり……。今では、立派にコーヒーが飲めるようにしました。以前、インスタントが不味くて飲めなくなったと文句を言われたな……。

 それからミルを買って、ポットを買って、豆も行きつけの店を見つけて――。ミルがあると、自分がどんな挽き具合の豆が好きが解かるんですよ。ちなみに私は粗めが好きです。市販の粉って大体中挽きで、鮮度も劣化してるんですよね。だから不味いんですが。
 新鮮な豆でコーヒーを淹れると、今までのと味がガラリと変わるんですよ。白黒がカラーになるくらいの変化。それくらい違います。まぁ、ちゃんと淹れられるかは、技術がいりますが。しかも、もっと好きな味を追求したくなる。どの豆はどんな味がするのかとか、「あ、今日は抽出に失敗した」とかそういうのが解かるようなる。こうなると、インスタントは飲めなくなる、と言うか、不味い。ちなみ、缶コーヒーはジュースです。あれをコーヒーといったら、本物に失礼だと言いたい。ファミレスのコーヒーには砂糖とミルクを入れないと飲む気がしません。そんな感じです。喫茶店のコーヒーの味だって解かるようになる。ここはコーヒーの力を入れてるとか、軽食がメインとかね。

 さて、最近の私のコーヒーのこだわりは、お湯の温度と蒸らしだったりします。温度は沸騰させないで、八十度くらいが丁度、豆の味を引き出せると思うんだよね。それ以上だと、どうも苦味とか酸味が強く出てしまう気がします。蒸らしっていうのは、最初にお湯を少し注いで、粉全体を蒸らすこと。豆が新鮮だと、ここで盛り上がってくるんだよね。この瞬間が凄く好きで、香りもたまらない。出来ることなら、サーバーにお湯が落ちないなら最高。落ちた分だけお湯が余計ってことだと思います。

 コーヒーっていうのは、淹れたらできるだけ早く飲んだほうがいい。酸化するから。でも、最近はそういうのをあまり気にしなくなったな。そりゃ、ずっと放っておくのは問題だけど、少しずつ変化していく味を楽しめるようになった。何と言うか、最初の一口と少し飲んでからの一口の微妙に変わってくるんだよね。全体的にまろやかになってる感じ。もっとも、いつ飲んでも、飲んだときに口の中に広がる、豆特有の味と香りはたまらないものがあります。特に最初の一口はそれを凄く感じる。コーヒーの美味しさはここで決まると思ってもいいくらい。豆それぞれで味が異なるし。インスタントとか缶コーヒーじゃ、絶対出せない味です。

 一ヶ月にコーヒーの豆にかけるお金は、二千円程度。グラムにして六百は飲みます。実家に帰ってからは、弟がコーヒー淹れてとせがんでくるので、減りが激しいですが。豆はインターネット販売で取り寄せてます。パオコーヒーって言うんだけど、豆を安く提供してくれる、とっても良心的なお店。百グラム当たり、大体、市販されているところの四割引きくらいから半額くらいの値段です。実際は二百グラム単位で売られているので、コーヒー党には嬉しい限り。ホームページもどこかアットホームな感じがして良いです。ファミリー経営なそうな。自家焙煎というも惹かれましたね。ここを知ってから、毎日コーヒーが楽しめるようになりました。あ、そうそう「コーヒーのお好み診断書」というのもあるので、コーヒーに興味のあられる方は覗いてみると良いかもしれません。

 ちなみに細かいコーヒーの淹れ方は、『静かに消えていく』か、『サンタクロースの名前を知らない』辺りに書いたと思うので、そちらを参照してくれると嬉しかったりします。
 今年辺り、サイフォンか、ウォータードリップ辺りに手を出したいと考えているのだけれど……金がない。でも、いつかね。

 今日のコーヒーはブラジル・ピーベリーでした。でも一番好きなのは、モカ・マタリ。今日で豆は使い切ったけれど、明日には届く予定。マタリも注文済みです。
 そのうち、コーヒーについてはまた語る……だろうな、きっと。

 あ、追記。コーヒーは体に良いのか、悪いのかについて、パオコーヒーのサイトにあったから、一部だけ転載しておきます。


 近ごろ、コーヒーの健康増進作用、病気予防効果についての研究が進んでいる。普段から何の意識もなく習慣的に飲んでいる人が多いだろうが、それが健康増進や病気の予防に有効ということになれば、ちょっとしたニュースだろう。 これまで明らかにされているコーヒーの薬効を列記してみると、次のように実に多様な効果 が確認されている。
●B型肝炎の発症を防ぐ・ぜん息の発作を予防
●飲酒による肝臓の負担軽減
●肝臓ガン、大腸ガンの予防
●ガンや老化の原因になる活性酸素を分解除去
●コレステロールを下げて心臓病などを予防
●優れた頭痛治療効果
●香成分が脳の血流をよくして脳の働きを高める
 その他、ストレス解消や自律神経失調症の改善など、未解明の効果もいろいろ報告されているようだが、それにしてもガンの予防や心臓病に効果 があったとは驚きだ。


 とのこと。体に良さそうですね。どういう風に淹れれば体に良いのかは分かりませんが、砂糖とかの入れれすぎは問題でしょう。他にもいろいろ載っていますので参考にされてみては?
 今ふと思ったんだけど、コーヒーが悪いんじゃなくて、コーヒー飲む人に、生活が不規則な方が多かったり、愛煙家が多いだけなんじゃないか……。ちなみに私は生活は不規則でも、タバコは吸いませんし、酒はほどほどですよ。いや、本当に――。

(こんなの書いて、どうするつもりなんだろうね。本当にコーヒーが好きな人が増えれば嬉しいけど……これを読んだ貴方、少しばかりコーヒーを楽しんで見ませんか? なんてね)

参考までに
自家焙煎コーヒー豆通販パオコーヒー  
 『静かに消えていく』  
 『サンタクロースの名前を知らない

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